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トリコモナス trichomonas

トリコモナスとは

トリコモナス症は、トリコモナス・バギナリス(Trichomonas vaginalis)という原虫によって引き起こされる性感染症(STI)です。この病気は主に女性に症状を引き起こし、膣や尿道に感染しますが、男性にも感染し、通常は無症状であることが多いです。

トリコモナス症は、治療を行わないと長期にわたって持続し、他の性感染症のリスクを高めることがあります。

トリコモナス症の原因

トリコモナス症は、以下のような方法で感染します。

  • 性的接触
    トリコモナス・バギナリスは、感染者との膣、肛門、または口腔を介した性行為によって伝播します。特にコンドームを使用しない性行為で感染リスクが高まります。
  • 非性的接触
    非常に稀ですが、湿ったタオル、衣類、トイレの座面などを介して感染することもあります。トリコモナス・バギナリスは湿った環境で一定期間生存することが可能です。

トリコモナス症の検査・診断

トリコモナス症の診断は、臨床症状の観察と検査によって行われます。

主な診断方法は以下の通りです。

  1. 症状の確認
    • 女性:かゆみ、灼熱感、外陰部の不快感、異常なおりもの(黄色や緑色で泡立ったもの、異臭を伴うことが多い)が一般的な症状です。膣の炎症や痛みも見られることがあります。
    • 男性:通常無症状ですが、時折尿道からの分泌物、排尿時の痛み、尿道の灼熱感などが現れることがあります。
  2. 身体診察
    医師は外陰部や膣の視診を行い、炎症や異常なおりものの有無を確認します。
  3. 顕微鏡検査
    膣や尿道からの分泌物を採取し、顕微鏡でトリコモナス・バギナリスの存在を確認します。この方法は迅速で、診断の初期段階で有用です。
  4. 培養検査
    分泌物を培養してトリコモナス・バギナリスの有無を確認します。検出感度が高く、感染の確定診断に使用されます。
  5. NAAT(核酸増幅検査)
    トリコモナス・バギナリスの遺伝子を検出する高感度な検査法で、精度が高いため、確定診断に用いられます。

トリコモナス症の治療方法

トリコモナス症は、抗原虫薬の使用により治療が可能です。主な治療法は以下の通りです。

抗原虫薬治療

メトロニダゾールまたはチニダゾール、これらの薬剤は、経口投与、もしくは膣内投与でトリコモナス・バギナリスを効果的に駆除します。

通常、単回投与または数日間にわたる投与が行われます。メトロニダゾールは、最も一般的に使用される薬剤です。

治療中の注意事項

治療中および治療後少なくとも一週間はアルコールの摂取を避ける必要があります。

メトロニダゾールやチニダゾールはアルコールと相互作用し、悪心や嘔吐などの不快な副作用を引き起こす可能性があります。

パートナーの治療

性感染症であるため、すべての性的パートナーも同時に治療を受けることが必要です。

再感染を防ぐためにも、パートナーの検査と治療が推奨されます。

再発防止

治療後は、トリコモナス・バギナリスが完全に駆除されたかを確認するため、再検査が行われることがあります。

トリコモナス症の予防と生活習慣の改善

トリコモナス症の予防には、以下の対策が有効です。

安全な性行為

コンドームの使用は、トリコモナス症を含む多くの性感染症のリスクを低減します。また、複数の性的パートナーとの性行為は感染リスクを高めるため、パートナーシップの関係を清潔に保つことが重要です。

定期的な検査

性的に活発な人々は、定期的に性感染症の検査を受けることが推奨されます。特にトリコモナス症は無症状で進行することが多いため、検査は重要です。

適切な衛生管理

感染を防ぐために、性器や周辺部の衛生を保つことが推奨されます。特に性行為後は、清潔な水で洗浄することが望ましいです。

パートナーの治療と検査

感染が確認された場合、すべての性的パートナーが検査と治療を受けることが重要です。再感染のリスクを減少させるために、パートナーシップ内での相互の治療と予防策が必要です。

トリコモナス症は適切な治療を受けることで完全に治癒する性感染症です。性感染症に対する意識を高め、予防策を講じることで、感染リスクを低減し、自身とパートナーの健康を守ることができます。

料金

日本の保険診療では、保険の種類により治療費の1割から3割を自己負担します。当院での初診におけるトリコモナス症の診断と治療にかかる費用の目安は以下の通りです。

診察料、処方箋料、検査料含めて2,500~4,500円程度

ただし、行う検査の種類によってはさらに変動する可能性があります。また薬剤費用は別途かかります。

監修者情報

マイシティクリニック院長 平澤 侑來

マイシティクリニック院長

平澤 侑來

大学病院での診療経験を活かし、幅広い泌尿器科診療を行います。

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