マイコプラズマ・ウレアプラズマとは
マイコプラズマ・ウレアプラズマは、細菌の一種であり、感染するとさまざまな健康問題を引き起こすことがあります。
これらの細菌は非常に小さく、細胞壁を持たないため、一般的な抗生物質に対して耐性がある場合があります。
マイコプラズマとウレアプラズマは、呼吸器系や泌尿生殖器系に感染することがあり、感染部位によって異なる症状を引き起こします。
当院では主に泌尿生殖器系の診療を行います。
マイコプラズマの原因
マイコプラズマは、主に以下の2つの種が健康問題を引き起こします。
- マイコプラズマ・ジェニタリウム(Mycoplasma genitalium)
主に性行為を通じて伝播し、男性では尿道炎、女性では膣炎や子宮頸管炎を引き起こすことがあります。性感染症(STI)の一種として分類されます。 - マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)
マイコプラズマ・ジェニタリウムと同様に、泌尿生殖器系の感染症を引き起こします。
ウレアプラズマの原因
ウレアプラズマも複数の種が存在しますが、主に以下のものが健康問題を引き起こします。
- ウレアプラズマ・ウレアリティカム(Ureaplasma urealyticum)
男性の尿道炎や女性の膣炎、子宮頸管炎の原因となります。性行為を通じて感染することが一般的です。 - ウレアプラズマ・パルバム(Ureaplasma parvum)
ウレアプラズマ・ウレアリティカムと同様に、泌尿生殖器系の感染症を引き起こします。
マイコプラズマ・ウレアプラズマの検査・診断
マイコプラズマおよびウレアプラズマの感染を診断するための方法には以下があります。
- 臨床症状の確認
感染部位によって症状は異なります。呼吸器感染症の場合、発熱、咳、喉の痛みなどが見られます。泌尿生殖器系の感染症では、排尿時の痛み、分泌物、不快感などが一般的です。 - 核酸増幅検査(NAAT)
PCR法などを用いて、マイコプラズマやウレアプラズマのDNAを検出する方法です。感度が高く、確定診断に用いられます。
マイコプラズマ・ウレアプラズマの治療方法
治療は、感染の部位と原因となる細菌に応じて行われます。
抗菌薬治療
- 泌尿生殖器感染症
ドキシサイクリンやシタフロキサシンがよく用いられます。特にマイコプラズマ・ジェニタリウムに対しては、ドキシサイクリンが第一選択となることが多いです。ウレアプラズマ感染症でも同様の治療が行われます。
対症療法
症状の軽減を目的とした治療が行われることがあります。例えば、疼痛がある場合には鎮痛薬を使用することがあります。
治療の遵守
マイコプラズマやウレアプラズマ感染症は再発することがあるため、処方された抗菌薬は指示通り全て服用することが重要です。また、パートナーの治療も同時に行うことが推奨されます。
マイコプラズマ・ウレアプラズマの予防と生活習慣の改善
これらの感染症の予防には、以下の対策が有効です。
- 安全な性行為
コンドームの使用は、泌尿生殖器系の感染症の予防に効果的です。特に複数の性的パートナーがいる場合は重要です。 - 適切な衛生管理
個人の衛生を保つことは感染リスクを減らすために重要です。手洗いや、公共の施設での清潔を保つことが推奨されます。 - 免疫力の向上
バランスの取れた食事、十分な睡眠、定期的な運動は免疫力を高め、感染症に対する抵抗力を強化します。 - 定期的な検査
性感染症のリスクがある場合、定期的な検査を受けることで、早期発見と治療が可能になります。特に症状がなくても、検査を受けることが重要です。
マイコプラズマおよびウレアプラズマ感染症は、適切な治療を受けることで完全に治癒することが多いですが、再感染のリスクもあります。
予防策を講じることで、感染のリスクを最小限に抑えることが可能です。
料金
現在、マイコプラズマ・ジェニタリウムのみ保険が適応されており、それ以外の3菌種は自費負担での検査となります。
日本の保険診療では、保険の種類により治療費の1割から3割を自己負担します。
当院での初診におけるマイコプラズマおよびウレアプラズマ感染症の診断と治療にかかる費用の目安は以下の通りです。
診察料
診察料、処方箋料、検査料含めて | 2,000~3,500円程度 |
ただし、行う検査の種類によってはさらに変動する可能性があります。また薬剤費用は別途かかります。
マイコプラズマ2菌種+ウレアプラズマ2菌種の検査 | 自費負担で6,300円 |